私は現在、競書誌「ペンの光」の筆ペン部五段です。
五段の上の推薦に上がるためには、年2回実施される昇格試験に合格しなければなりません。
何年も試験を受けずに留まっている実力者もウヨウヨいらっしゃるのが、ここ五段なのです・・・。
三段や四段のときには上位で写真版だった私ですが、五段に上がった途端に一気に100番台後半に順位が下がってしまいました。
と、意気消沈するばかりで、ちっとも狙える自信はありませんでした。
しかし、写真版になるまでは何年かかっても昇格試験を受けない覚悟を決め、五段での写真版を当面の目標としていました。
そんな私ですが、な・・・なんと!
五段になって一年以内に3回も、写真版に選ばれました!
筆ペンに苦手意識ありまくりだった私にとっては、快挙としか言いようがありません。
五段写真版というと、元からとても上手でセンスのある別次元の方々というイメージがありましたが、下から這い上がることも可能でした。
そこで、決して元から上手ではなかった私が、五段で写真版になるまでに行ってきた3つのことを、紹介していきます。
①毎月欠かさず筆ペン部に出品を続けた
私はペンの光を購読し始めて以来、規定部と筆ペン部は毎月欠かさず出品を続けています。
十分な練習時間が取れない月もしょっちゅうありますが、それでも「出品すること」を一番の目標として、納得のいかない仕上がりでも出すようにしています。
筆ペンは、少しサボると感覚を忘れて書けなくなってしまいます。
毎月出品すると決めることで、筆ペンの練習をサボってしまうことを防止できます。
最低でも、1週間に1回は筆ペンを手に取りたいところです。
始めはなかなか思うように書けなくても、お手本をよく見て練習し毎月出品しているうちに、お手本の書きぶりにも慣れてきます。
ひと月頑張って練習したからといって、最初の1枚と比べてすごく上手に書けるようになったということはないのですが、長い目で見ると少〜〜しずつ上達していっていますので、まずは継続あるのみです。
②筆ペンの基礎練習を行ってきた
筆ペン部の段位クラスでは、行書の課題も登場するようになります。
筆ペンでの行書は不慣れだったため、月例課題と併せて行書の基礎練習も行ってきました。
使用したのは、日ペンの速習筆ぺん実用講座の「筆ぺん練習帳」です。
全てスキャンしてパソコンに取り込んでいるので、必要に応じてささっとプリントして使っています。
私が筆ペンの基礎練習に使用しているのは、この「筆ぺん練習帳」のみです。
面倒くさがり&飽きっぽく基礎練習が苦手だった私は、以下の方法で取り組んでいました。
- 時間と気持ちに余裕のある日に1〜2枚程度、気負わずにゆるゆると。
- その都度印刷だと億劫になるので、最初にまとめて印刷しておく。
- かと言って枚数が多すぎると嫌になるので、印刷は一度に10枚くらい。
- 練習した用紙はファイルに保存して、初回の同じページと比較する。
↑左:2021年6月(修了後)、右:2020年5月(受講中)
上達を実感できると、やる気も上がります!
③ペン展の筆ペン部に出品した
苦手だった筆ペンを少しでも克服したい目的で、ペン展の筆ペン部に出品したという話は、これまでにも書いてきました。
筆ペン部準初段〜五段の人が出品資格のある筆ペン部の2部は、行書の課題でした。
出品料(筆ペン2部は4,070円)を払って、先生方に審査され、不特定多数に作品を見られることになるわけですから、本気で書かざるを得ません。
毎月の清書も同様ですが、本気で書く機会を増やすことが、上達への近道だと感じています。
だからこそ、恥をしのんで練習したものを時々SNSにも投稿しています。
また、一つの作品に長期間じっくり取り組むということは、なかなか無い貴重な機会です。
わずかの文字でもじっくり取り組んで、一つ一つしっかり書くことができるようになれば、ほかの文字についてもその文字から類推して、ほぼ同じ要領でかけるようになるものです。
出典:田中康博(1985)『一人で学べるボールペン習字―基礎と上達』西東社 p.19
「練習する文字は数少なく」は、田中先生の本だけでなく、他の著名な先生方の本にもよく書かれている、基本的かつ大事な練習のポイントの一つです。
手あたり次第違った文章を練習するよりも、ペン展の一課題にじっくり取り組む方が、上達度合いは高いことでしょう。
初めて五段での写真版となったのは、ペン展の真っ最中に書いた4月号の作品でした。
ペン展に一生懸命取り組んでいたことが、良い結果に繋がったのでしょう。
まとめ:地道な努力と継続で写真版に
今回、私が筆ペン部五段で写真版になるまでに行ってきた3つのことを紹介してきました。
すぐに写真版を目指せるような裏ワザ的な方法ではありませんので、「なーんだ」と期待外れだったらごめんなさい。
練習内容も練習量も、いたって普通です。
しかし、これらの地道な努力と継続が、私を写真版に導いてくれたのだと確信しています。
この記事が、筆ペン部五段写真版を目指している方に限らず、筆ペンを学ばれている皆さまの何かしらのヒントになりましたら幸いです♪