字が上手で得することはたくさんあっても、下手で良いことなんて何一つない・・・
そんなふうに感じていました。
ところが、ペン字を始めて以来、もとの字が下手で良かったと感じられる場面にもたびたび遭遇してきました。
字が下手で良かったと、私自身が思わず感じてしまった2つの理由を紹介していきます。
①上達の変化が大きい
「ペン字を始める」と一言で表しても、そのスタートラインは人それぞれ異なります。
例えば「バイオリンを始める」場合、ほとんどの人が全く弾けない状態からのスタートとなるでしょう。
一方ペン字の場合、「文字を書く」という行為は子どもの頃から日常的に行っていますので、初めて学ぶといっても今日まで文字を書いてきた積み重ねがあるのです。
- 長年お習字を続けてきた人
- 昔から字を褒められることが多かった人
- 上手くもなく下手でもない人
- 大人になっても学生時代の癖字が抜けない人
- どうしようもなく字が汚い人
スタート時点から字が上手な人もいれば、かなりの悪筆の人もいるわけで、レベルの差はものすごく大きいです。
私はというと、中の下?下の上?くらいからのスタートでした。
とちょっぴり卑屈になっていましたが、下手だからこそ明らかに上達を感じられることに気づきました。
私は時々自分で書いた文字のビフォーアフターを見比べていますが、下手だったおかげでその差は一目瞭然です。
字が下手な人こそ、正しい方法で半年も練習を続ければ、あっと見違えるような字を書けるようになれます。
もとから上手な人だと、ビフォーアフターの変化は下手な人に比べれば少なく感じられることでしょう。
②まだまだ伸びしろがある
ペン字を始めたばかりの頃は、
などと懸念していましたが、そんなことはありませんでした。
数ヶ月前に書いた文字を見返すと、今よりだいぶ下手に感じられます。
そして、2年目になっても上手に書けたと感じることはほとんどなくて、毎回失敗だらけです。
つまり、まだまだ伸びしろがたーーっぷりあるとも言えるのです。
競書誌「ペンの光」の成績にしても、例えば漢字部は最初の数ヶ月ずっとBランクが続いていました。
そこから念願だった初のAランクになれたときの喜び。
段位でもAランクになれたときの感動。
まさかの写真版になれたときの驚き。
下からのスタートだった分、段階的に何度も嬉しさを味わえました。
受験部や掲示部は未だに成績が悪いので、今後の楽しみはずいぶんと残されています(笑)
さいごに
私が飽きずにペン字を続けられている大きな理由のひとつが、「自分の文字が変わっていく様子が楽しい」からです。
もとが下手だったからこそ変化も分かりやすく、ビフォーアフターの明らかな違いにニヤニヤしてしまいます。
文字が下手な人ほど、より大きな上達の楽しみを味わえることでしょう。